道具の話7・ナイフと本              2013.05        [TOP]  [物欲]

   

 
 

2013.05

         
  VICTORINOX・ゴルファー (左の赤い方)
  10年くらい前に廃盤になったモデル。 現在はゴルフツールという専用モデルに切り替わっている。
  ベースはコンパクト(右の青いの)なので、同モデルの特徴である虫ピン、メガネドライバー、ボールペンが付き、
  さらにマルチフックの背が爪ヤスリになっている。 (スパルタンがベースのモデルもある模様)
  コンパクトとの違いは、栓抜きと缶切りを兼ねたコンボツールがグリーンフォークになっている点である。
  グリーンに球が落ちてできた凹みを直す道具だ。
   
  例によってヤフオクで見つけた。
  ゴルフなんてやらないし、今後やる予定もないのだが、廃盤だし、珍品だし、コンパクトはシンプルで好きだし、コンボツールは嫌いだし、、、
  ということで入札しておいた。
  1000円を越えそうだったら降りようと思っていたのだが、特に競り合うこともなく、ワンコイン以下で落札できた。
  安かった理由は、ハンドルにあるはずの「ドライバーをスイングするおっさん」のプリントがないタイプだったからか、
  あるいはそのハンドルがキズだらけで汚いブツだったからか、それとも単に誰も欲しがらない不人気モデルだからなのか・・・。
  これがコンパクトだと、ちょっとどうかと思うような価格で落札されてるんだけどな。
  でも、写真の青いコンパクトは運よく1000円以下で落とせているから分からんもんだ。
 
   
   

 
 

2013.08

         
  「シェルパ斉藤のワンバーナー簡単クッキング」 斉藤政喜 笊カ庫
  アウトドア関連ではお馴染みの筆者&出版社であろう。
  文庫にも面白そうな本が並んでいるが、残念ながらそのほとんどが絶版になっているようだ。
  「絶対ニコン主義!」、「安原製作所回顧録」など、カメラ関連の本も良さげ。
  この本も絶版で、しかも人気があるのか、なかなか中古価格が下がらなかった。 時には数千円になっていることすらあったのだ。
  やっとワンコイン以下で買えるようになったので、Amazonにて購入した。 結構きれいなのが送られてきた。
   
  一読して納得。 読むだけでも面白いし、当然ながら実用的な本なんですな。
  バーナー、クッカー、武器、ナイフ、調味料など、道具の解説もあり、
  しかも筆者が所有する使い込まれた道具の写真がふんだんにあるので、そちらにも萌える。
  真っ黒になったEPIのクッカーや、使い古したオプティマス123Rによだれが止まらない。 観賞用にひとつ欲しいところ・・・。
  ひとが愛用している道具をやたらと見たがる、という私の特異な好奇心も満たしてくれる。
  今回、背景として使った2冊の本も「ボロなナイフをたくさん見たい」から、という理由で以前買ったものである。
   
  で、肝心のレシピであるが、私はヤマではお湯を沸かす位しかしないので、「簡単クッキング」は日常で役に立ちそうである。
  コンビニで買ったおにぎりを材料として調理するのはよくやってる。
  ごはん系ばかりでなく、ラーメン系、そうめん系も網羅してるから汎用性が高い。
  でも、腹が減ってる時や、寝る前に読んではいけない本だな。
 
  この本で紹介されている山道具            
MSR
ウィスパーライト
インターナショナル
トランギア
アルコールバーナー
スノーピーク
チタントレック
900
スノーピーク
ワッパー武器
スノーピーク
チタンダブルマグ300
プリムス
フォールディングトースター
プラティパス
2.5L 
             

   

New!

     
   

 

2014.04

 

新版!

ビクトリノックス
アウトライダー

トランギア
ケトル0.6L

MSR
チタン製ケトル

  「シェルパ斉藤の元祖ワンバーナークッキング」 斉藤政喜 エイ出版社
  題名を見て上記の本が再販されたのかと思ったら、新装版・新内容の続刊であった。 つい1ヶ月ほど前、知らないうちに出ていた。 
  今度はひと回り大きくなった単行本である。 しかしページ数が30Pほど減ってる。
  やはり人気の一冊だったようですな。 私も旧版を購入以来、何度も読み返している。 使い込まれた道具を鑑賞する本として(苦笑)。
  今回も道具の紹介があるらしいので期待している。 内容を確認後、買うつもりである。
  2014.06 追記↓
  はい、買いました。 
  書店で確認してから買いたかったのだが、そこは地方都市の悲しさ・・・いくら待っても置いてくれない。
  そうしているうちにnanacoのポイントが貯まったので、セブンネットでポチっちゃいました。 2日後に到着。
  なぜか左綴じに仕様が変更されてて戸惑う。 どうしてわざわざこんなことをしたのだろう?
             
  さて、流し読みしたところ、「使い込まれた道具を鑑賞する本」としては失格であった。
  前作から各道具が一新されており、小キレイなものばかりになってしまった。 ツマンネェ・・・。
  見所はトランギアのケトルアルコールバーナーくらいだろうか。 両方共見事にボロボロになっており、いい味出してる。
  ショックだったのは、もうチタン製カトラリーなんて使ってないこと。
  木製やシリコンのスプーン、プラスチック製のフォークに変わっており、興醒めなこと著しい・・・。
  屋外料理を実践する人にとっては正しい選択なのだろうけど、私の目的は「そこじゃない」のでハズレなのである。
   
  メインのレシピの方も、道具同様に進化していた。
  前作と比べて生野菜を使った料理がなくなり、フリーズドライなど台所にはちょっと置いてない食材を使うものが増えたようだ。
  よって、残り物で作れそうなレシピが消え、調理時間や手間が省けるのと引き換えにコストが上昇したように思う。
  「山料理」としてはより実用的になったわけだが、「日常のレシピ」としては使い辛くなったな。 う〜む・・・。
   
  最後に「重箱の隅」。
  VICTORINOXのラックサックを愛用」とあって写真も掲載されているのだが、
  「あれ? ラックサックにハサミあったっけ?」と思って調べてみたところ、やはり前作同様、アウトライダーを使い続けているようだ。
  ただし、本書内でハサミで野菜をカットするシーンは出て来ないので、ラックサックでも十分かも知れない。(←嫌味)
 

この本で紹介されている山道具

   

      プリムス
ライテック
トレックケトル&パン
ユニフレーム
FDシリコンスプーン
MSR
フォーク
モンベル
野箸
 
           
     

   
 

2013.09

  文庫 単行本  
  「もの食う人びと」 辺見庸 角川文庫
  上でお気軽なアウトドアレシピ本を紹介したが、その影響で、対極にあるようなこの本のことを思い出した。
  買ったのはかなり前のことだが、新聞での連載も単行本の発刊も知らず、文庫本を古書店で買った。そして何度も繰り返し読むことになった。
  単行本は1994年、文庫本は1997年の発行だから、もう20年近く前の本だが、全く古さを感じさせない。
  内容は、"世界中を旅し、その土地その地方で食べられている物を、地元の人と一緒に食べでみよう"
  ------- と書くと、凡庸なグルメ本や放浪記の類のように受け取られるだろうが、この説明はハズレではない。 といって正確でもない。
  この本は「生」のルポルタージュである。
   
  読むたびに衝撃を受け、言葉を失い、憂鬱になり、溜め息を漏らしながら暗い顔で本棚に戻すが、
  そのうちまた引っ張り出してきて読んでしまう。
  そして読む度に必ず不愉快な気分になる。 買って以来、ずっとその繰り返しだ。
  「なぜ私は不愉快な気持ちになるのか」という命題の解を考えることはせず、いつも思考停止のままでいるからであろう。
   
  ・バングラディシュの残飯市場で取り引きされる、腐ったご飯やおかず
  ・ミンダナオ島の住民を捕らえて食べていた30数人もの残留日本兵たち
  ・日本のペットが食べる猫缶を低賃金で毎日作り続けているタイの少女
  ・食料の横流しとイジメの果てに餓死したロシア軍の兵士たち
  ・チェルノブイリの居住禁止区域に住む老人。そこで採れた作物を一緒に食べる筆者  ・・・・・などなど
   
  遠い国の話だと思っていた放射能汚染食品が、まさか身近な危機として直面することになろうとは予想だにしなかった。
  第3章のアフリカ編が最も重い。まじめに感想を書いたら本書のページ数を越えそうだ。
  できれは知らなかったことにしたい。考えたくない。
 
           
   

 
 

2014.01

 

マネークリップAL

クラシックAL

フィッシャーマン

 
  VICTORINOX・マネークリップAL (中央)
  ハンドルが金属製だし、ちょっと変わってて興味あるので、中古で安い出物があったら買ってみようかな、と思っていた。
  「変わってる」のは名前の通り、このモデルは紙幣を挟んでおくための道具である、という点である。
  紙幣を2つ折りにし、裏側のクリップで挟んでポケットに突っ込んでおき、チップなど支払いの時にサッと出すための道具らしい。
  日本ではあまり見られない道具である。 そこにも惹かれた。
  例によってほとんど興味本位での購入なのだが、もしかして実用ナイフとして使えるのではないか、という打算もあった。
  「実用」というのは上記のような「財布」としてではなく、小型のマルチツールとしてである。
  58mmのクラシックでは小さ過ぎ、91mmのオフィサーでは嵩張る。 その中間である74mmのこいつなら、と考えたわけだ。
   
  ヤフオクにワンコインで出品されているのを見つけ、汚れているがキズは少なそう。しかも廃盤となった赤ハンドル、ということで入札。
  他に誰も入札者が現れず、無競争での落札となった。 どうやら不人気なモデルらしい。
  定価だと5000円近くするから、約10分の1である。
   
  で、3ヶ月ほど実際に使ってみた感想。
  ヤスリがクラシックよりも短いのが意外だった。その分ナイフが大きく、厚手になっており、使い易い。
  ハサミはもう少し大きければなお良かったのだが、これは仕方がない。 当然ながら、ナイフもハサミも気持ちいいほど良く切れる。
  テーブルの脇に置いといて、あれやこれやと使っている。
  と言うわけで、「テーブルの脇」は相変わらずナイフだらけである。
 
           
     

 

2014.03

    コンパクト スペースシャトル
  VICTORINOX・コンパクト (左)
  コンパクト(青)があるのに、今度はコンパクト(赤)を買ってしまった・・・。
  コンパクトは公式サイトで「スペシャル91mm」に分類されており、その為なのか、ツール数の割には価格設定が高めだ。
  ヤフオクなど中古市場でも人気で、安価ではなかなか落札できない。
  今回もワンコインで出品されているのを見つけて入札。まさかこの値段で済むわけはあるまい、と思っていたが、無競争でそのまま落札。
  定価の10分の1で手に入れることができた。
   
  届いてから気付いたのだが、無競争だったのは、これが旧式のモデルだったからかも。(&メガネドライバー欠落)
  旧型なのでマルチフック、虫ピンがなく、ハサミの仕様も現在のものとは異なる。
  コルク栓抜きは、周囲に溝が彫ってあるタイプだった。 旧型の特徴で、実物を手に取って見るのは初めてである。
  こうした新旧比較もコレクションの楽しみのひとつなんだな。 (溝は1991年から廃止)
   
  ハンドルにキズがあるものの、各ツールは新品同様で問題なし。汚れを落とし、注油してやれば普通に使える。
  いつもの様に耐水ペーパーを掛けた後、ピカールで磨いたのだが、これは失敗だった。
  ハンドルはピカピカにはなったが、旧型特有のゴツイ社章が現行型と同じような風合いになってしまった・・・。
 
           
   

 

2014.03

       
  「鉄道が変えた社寺参詣」 平山昇 交通新聞社新書
  鉄道黎明期の日本各地に、都市と神社仏閣を結ぶ参詣・観光用の短距離私鉄が存在した、ということは知っていた。
  この本にてその具体例や、各地方それぞれの事情などを解説してくれるのではないかと期待し、Amazonにて古書を購入してみた。
  確かに期待通りの内容だったのだが、第一章を読んだところで目的を達成してしまい、そこから先は飽きてしまって読んでない。
   
  今では当たり前のようになった「初詣」という習慣が始まったのは、明治になってからのことであり、
  しかもそれは国鉄含む鉄道会社の商魂から生まれた、実に生臭いイベントであったことが当時の資料を交えて語られる。
  「初詣」というのは伝統行事などではなく、鉄道会社と社寺がグルになって仕組んだ観光行事だったのだ。
  代わりに、それまでの習慣であった「恵方詣」が衰退してしまう。
  文明が文化を破壊した一例、と言っては言い過ぎだろうか。
   
  余談だが、本には新品として買われた時のレシートがそのまま挟まっていた。
  以前にはかなり古いバスの切符が挟まっていたこともあったな。 こういうのも古本購入の楽しみだったりする。
  でも、結構な量のゴハン粒が潰れてカピカピになってるのを発見した時には、さすがに滅入ったな・・・。
   
 
             
   

 
   

2014.04

全國鐵道旅行繪圖 日本鉄道旅行地図帳
東日本大震災の記録
大研究
日本の道路120万キロ
 
  鉄道名著集成 「鉄道軌道路線図」 鉄道省監督局調 アテネ書房  
  ブックオフにて見つけたときの感想は、「なんだこりゃ?」だった。  
  大きさはバラバラだが揃いの灰色の箱に入った本が、20冊ほど固まって並んでいた。  
  ヨゴレもヤケもない新品同様だったので、これは高そうだと思いつつ何冊か手に取ってみると、500〜1000円とお手頃な価格。  
  「地方鉄道軌道一覧」とか「大正十二年 鉄道震害調査書」とかも面白そう。  
  逆に安過ぎて気持ち悪いので、一旦帰宅して調べてみることにした。 店内に「蛍の光」も流れてたしね。  
     
  どうやら平成5年(1993)に23冊セットで販売されたものらしく、単体での価格が分からない。  
  戦前に出版された鉄道関連の刊行物のうち、重要なものをピックアップして復刻したもののようだ。  
  中古市場では単体でも3000〜数万円という高額で販売されていた。 どうやら希少な本らしい。  
  全部買い占めて、10倍の値段で転売してボロ儲け! ってのも一瞬頭を過ぎったが止めておいた。  
  「地方鉄道軌道一覧」は近代デジタルライブラリーで公開されてるから不用だな、と思ったら、これに収録されてる昭和7年版はなかった。  
  でも買うほどでもないか、とパス。  
  「大正十二年 鉄道震害調査書」は写真、図版が豊富で、非常に資料性が高そうなのだが、「関東ネタ」ということでパス。(近デジにある模様)  
  結局、翌日に買ったのは上記の「路線図」だけ。 これが最も大きく、1000円であった。  
  「全国機関車要覧」とか「信越線碓氷電化工事概要」も面白そうだが、売れてしまったのか、見つけた時には既になかった。  
     
  昭和10年10月1日現在の日本全国の国鉄・私鉄・架空線を網羅したカラー地図帳である。  
  注目は、未成線、予定線、認可線、免許線まで記入されている点である。 これが決め手となって購入を決めた。  
  ORJで取り上げた新町軌道白石鉄道も載ってる。 国鉄福浪線の予定ルートは初見。 郡山湯本電鉄まで描かれているではないか!  
  もちろん、福島電鉄沼尻軽便。常磐地方の炭鉱線なども抜かりない。  
  一方、森林鉄道は全く描かれておらず、この点は大いに不満が残る。  
  鉄道省の管轄ではないし、汽車が走っていても「林道」と分類されるからだろうか。  
     
  よく見ると特殊な製本であることが分かった。  
  地図なので中綴じ部分も詳しく見たい。 普通の製本の場合、無理に開くと「バリバリ」ということになってしまうが、  
  この本は中綴じ部分が綴じられておらず、浮くようになっていた。  
  そのせいで、地図があるのは2ページごとで、間には真っ白なページがあるだけになっている。  
  素人ながら、コストが掛かってそうなことだけは分かる。  
     
  この出版社は既に存在しない。 2006年頃に廃業したようだ。  
  出版不況と言われて久しいが、この復刻版セットは売れたのだろうか。  
  売れずに在庫を抱えたまま倒産。 その差し押さえ物件が流れ流れて、私の手元に・・・・ということなのだろうか。  
 
 
     
  「大研究 日本の道路120万キロ」 平沼義之 じっぴコンパクト新書  
  「山さ行がねが」の管理人であり、友人(だと一方的に思っているw)でもあるヨッキれん氏による、初めての新書である。  
  書店の本棚に並んでる姿を鑑賞しつつ店頭で買いたかったのだが、すぐに売れてしまったのか、なかなか見ることができなかった。  
  通販で買おうかと考え始めていた頃、著者より「誤記を修正した改訂版がもうすぐ出る」とのアナウンスがあったので、また待機。  
  通販では初版なのか改訂版なのか分からないので、店頭で買う以外に選択肢がなくなってしまった。  
  そんなこんなで、購入したのは発行から1年近くも経過した2014年1月だった。  
     
  入手するまでの間にAmazonのレビューを眺めていたが、「山さ行がねが的なものを期待していたのに、真面目な内容だったのでガッカリ」、  
  なんてのが複数あって笑わせて貰っていた。  
  おそらく、Amazonに表記してある内容説明をろくに読みもせずに、著者名だけで買ったのだろう。  
  それで「期待外れだ」なんて言われても、書いた方はどうしようもなかろうに・・・。 そこは自らのマヌケぶりを呪うのが正解であろう。  
  評者が「真面目な内容」と感じた歴史的・学術的・法的な理論が、整然とアタマの中に入ってる人が書いているのが、  
  あなたが「ファンだ」と言ってる「山さ行がねが」なのである。  
  この本を読んだ後には、「山さ行がねが」が更に味わい深くなってると思うのだが、どうだろうか。  
     
  既に「国道の謎」(松波成行著 祥伝社新書)という良書が先行し、定番化している中、 (書評は→こちら  
  後発で同類の本を出版するまでには、それなりの葛藤や曲折があったはずである。  
  結局のところ、「国道の謎」より柔らかく、「山さ行がねが」よりは固く、というポジションに落ち着いたようだ。  
  個人的にはもっと柔らかくても良かったと思うが、まあ、ムック本じゃなくて新書だからこんなものかな。  
  柔らかいモノのアウトプットするには、固いモノを噛み砕き、さらに自分なりに消化できる能力が必要とされる。  
  この本のためにヨッキれん氏がどれだけ「固い」情報をインプットし、その内どの程度をアウトプットしたのか窺い知れないが、  
  たいへんな労作であることは間違いなかろう。  
 

2014.08

 
 
 
             
   

 
   

2015.01

鉄道忌避伝説の謎 鉄道の地理学 日本硫黄沼尻鉄道部  
  「鉄道忌避伝説の謎」 青木栄一 吉川弘文館   平成18年(2006年)  
  最初に知ったのは、前述本の著者であるヨッキれん氏のサイト山さ行がねがのトップにて、彼がアツく推薦していたのを見て、だと思う。  
  興味が引かれる題名だし、定評ある青木氏の著作なので、「大外れということはなかろう」とマークしていた。  
  しかし、本屋に並ばず、地元図書館にも入らず、、、ということで古本の購入を検討してたのだが、  
  値下がりを待つこと数年。昨秋、ようやく手に入れることができた。 送料込みで750円ほど。Amazonポイントで賄えた。  
  思ったより小振り、「JTBキャンブックス」よりやや小さな本が送られてきた。  
             
  内容は単純。  
  「明治の初め、鉄道沿線の住民は、その悪影響を訴えて反対した。その結果、市街地から離れた場所に鉄道が敷設されることになった。」  
  と各地の市町村史とかによく書かれてるけど、これって本当かな? と調べてみたら、どれもこれも根拠なんてなかった、、、という内容。  
  なぜそんな伝説が生まれたのか、についても解説している。  
     
  私にも身に覚えがある。  
  「鉄道計画地の住民が反対した結果、ルートが大幅に変更された」とのレポートを書いたことがある。  
  でも、市町村史にそう書いてあれば、そう信じてしまいますわなあ・・・。  
  公文書みたいなものですからねえ。  
             
  鉄道史や郷土史に興味がある人は必読です。          
 
 

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